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開かれ

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花初そたい
花初そたい

京都

京都旅行に行った。

時間と町

京都に来たときは大学周り・四条河原町近辺に必ず寄っている(未だに!?)。 最後に来たのは2020年だと思うけれど、そこからさらにできた店・なくなった店がある。もはやぼくの通っていたころと景色はだいぶ変わってしまったけれど、町の雰囲気はほとんど変わっておらず、「学生に戻りてェ~」と思ってしまうことも変わりない。 今からでも京都に住んだらいいじゃん、と思うこともないではないけれど、しかし改めて見てみると、やはりこの町の暮らし良さは時間と体力があった学生だからこそだな、とも思える。自転車があればどこでも行けて、モノ・コトが一部区画に凝縮されていて、開かれた空間が多い、というところが主な京都の好きな点だけれど、裏を返せば自転車がないとマトモに移動できず、一部区画から遠ければ利点を享受できず、何が起こるかわからない、ということでもある。たまたまいい感じの場所に住めてたからよかったものの、もし[任意の市街地から遠い場所]に住んでいたら全然異なる体験になる気がする。 いや、でもそんなんどこでもそうか。ただレペゼン意識が薄れてきたから「学生じゃないとな~」とか思い出しただけかも。

お客様

結局必要なのはレペゼン意識というか「お客様」ではないという意識で、場所から与えられたものをそのまま口に運んで帰っていく、というようではいつまでもその場所に対して愛着を持てないような気がする。深夜の構内で響きの良い場所を見つけて歌ったときや、缶ビール片手に吉田山を登ったとき、人気のない鴨川に足やらなんやらを浸したときのような体験をしないことには。上で書いた「開かれた空間が多い」というのはこういう側面を指している。でもこういうオルタナティブ的な(というにはだいぶショボいが)空間に対する意識ってそれこそスケートボーディングやグラフィティのものな気がするし、難易度の差はあれ熱意があればどこでも実現できるものではあるんだろうな。一番必要なのはシンプルにフットワークの軽い友達なのかもしれない。

画像

カバー画像は貴船神社です。ライトアップが始まったと聞いたので行ってみたら、若者たちがみんななにやら喋りながらスマホで動画を撮っていて驚いた。四条河原町にもスマホを構えて配信している人がいたし、建仁寺でも「すみません、後ろ姿を撮影してインスタに上げてもいいですか?」と話している人がいた。写真や動画なんて難しいものをみんながみんなネットに上げまくっているというのはすごい気がする。文章上げるほうがよっぽど気楽ですよ。そうでもないか。