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試聴コーナー

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花初そたい
花初そたい

雑記

タワレコ

ボアズの新譜がフィジカルで欲しくなったので、タワレコに行って買ってきた。そういえばCDショップの実店舗に行くのは久々だったが、まだ新譜が何枚か並んでいるタイプの試聴コーナーが生きていて嬉しくなった。そうよな、昔はこういうとこでdigってたんよなあ。 懐かしくなったはいいものの、実際そこで聴くかというと衛生的にも少々ためらわれ、「アルバム名だけ控えてサブスクで聴いたほうがいいな……」と思ってしまった。結局、アクセスのしやすさで言えば各種サブスクサービスに勝るものはない。レコメンドは外部ソースに頼り、音源自体はサブスクで聴く生活。やんぬるかな。 1枚だけ買って帰るのもなんだなと思ったので棚を見ていたら、山下達郎を聞こうと思っていたことを思い出したので評判の良さそうなアルバムを4枚買った。結局合計は1万超え。今月も赤字になりそう。

よかったもの

公衆道徳 - 公衆道徳

★★★☆☆ 韓国のミュージシャン・空中泥棒の変名……というか公衆道徳から2018年に空中泥棒に改名したらしい。 緩急とハズし方がカッコいい。

SuiseiNoboAz - GHOST IN THE MASCHINE DRUM

★★★★☆ 昨日出た新譜。前作では硬質なグルーヴとアジテーション的なポエトリーリーディングが目立ったが、今回はかなりポストロック的な硬質さ。ポエトリーリーディングは歌詞も発声もより淡々と、ギターの炸裂も抑えめで、ギターだったはずの高野メルドーは今作ではほとんどピアノを弾いている。表題曲などほとんどFlying Lotusだ。 一方で歌詞の淡々とした、信念の叫びの欠落が新たな詩情を獲得した感じもあり、特に後半3曲の美しさはすごい。「ドブ臭い川べりでビールを飲もう」と胸ぐらを掴んでいた前作から、今回は完全に見送る立場に回ってしまっている。これが、コロナ禍の落ち着きと息子が生まれたことで得た親心のミックスなのだろうか…… 「群青」が一番好き。インタビューによると息子を抱えて明け方をうろついた経験から来る曲らしいが、その成長に対する祝福(インタビュー中でも「祝福」が話題となったが、まさに!)がまぶしすぎる。

小さな子供の頃に 誰かに 抱きしめられたことなど 忘れてしまっても

夜明け前 指がかじかんでも 群青が 心にひとつあれば

子供に対する無条件の祝福というのは結構ツボなのかもしれない。一番好きな短歌のひとつもそういう内容だし。

陽の中へ疾駆せよ五月 少年を待ち受くるものあまた光れる / 高木佳子