小説的
花初そたい
花初そたい
雑記
小説的
「漫画的」という評を見れば漫符や効果線などを使用することがイメージされるし、「映画的」という評を見れば表情やカットの連続でストーリーや感情を表現することがイメージされるが、「小説的」というのはいまいちピンと来ない気がする。最近はモノローグが多かったり、比喩表現に凝っていたりする漫画が「小説的」と評されているのを目にしたけど、小説ってそうだろうか? 「小説」のイメージが固まらないことは、そのまま小説ならではの表現の強みというものがパッと思いつかないことに繋がるんじゃなかろうか。特に共有されるイメージのない柔軟さが強みだといえばそうでもあるのかもしれないけど、それではあまりにつまらないし……
比喩
上では疑問を呈したけれど、やっぱり比喩表現は小説の旨味のひとつでもある。カッコいい比喩は一言で雰囲気を作ってしまうし、映像をクリアにする。「月の光が海岸線を研ぎあげた刃物に変えていた。」「今、空は悲しいまで晴れてゐた。」「回々教徒の祈るときのようにじっと雪にひれふしたままいつまでもいつまでも動かなかった。」云々……(左は自分の好きなフレーズ集です) そういえば『キャッチャー・イン・ザ・ライ』に「あたりは魔女の乳首みたいに冷え込んでいた」ってあったよな、あれすごいよな、と思って調べてみたら、どうも慣用句らしかった。どういう慣用句だよとも思ったが、魔女狩りのイメージが背景にあるのではないかとのこと…… 比喩がスムーズに通じるのは、作者と読者が文化を共有している場合だけなんなあ。
よかったもの
Knifeplay - Animal Drowning
★★★★☆
Arctic Monkeys - The Car
★★★☆☆