Top.Blog.Novel.

悲しい童話

Cover Image for 悲しい童話
花初そたい
花初そたい

雑記

他人の日記

福尾匠氏の立てている「他人の日記」Discordサーバーに入った。他人の日記を読みたい人や読ませたい人が勝手に日記のリンクを貼っているだけのサーバーなのだが、これだけWeb上になんでもない日の日記を公開している人がいて、そういう人が互いに読んだり読ませたりしている、というのは不思議な気がする。下の記事の原宿さんの感想にも繋がるところがある。

よかったもの

巨大書店で戦え!本屋ダンジョン・バトル | オモコロ ちょうど原宿さんの紹介している『断片的なものの社会学』を買ったのが渋谷のジュンク堂だったこともあり、しんみりしてしまった。

真っ青なノイズに満ちた空に終わらないロックンロールの夢を見る 『ubik』を出したときのSuiseiNoboAzのインタビュー。elephant youについて調べていてたどり着いた。

●初速が速い言葉? 石原:マヘル・シャラル・ハシュ・バズの工藤冬里さんの言葉で、「言葉が音速を超えないとなれば、音は光の額縁になりたがる言葉だ。光の額縁になれなかったら言葉は絵の額縁になってしまう」というのがあって。言葉は音である以上、音速を超えないんですよね。でも音速を超えて光速に近付く言葉っていうか、実際は不可能なんですけど、それを夢見る言葉っていうことは常に思っているんです。脳に届くまでのスピードが速い言葉というものを心がけています。 ●即効性のある言葉を求めている。 石原:そうすると、やっぱり話し慣れている言葉や聞き慣れている言葉、つまり生活の中の言葉に戻ってくるんですよね。というか、そこに戻ってこないといけないと思うんです。俗っぽくない表現者って、全員が嘘っぱちだと僕は思っていて。クソ野郎ですよ(笑)。

即効性のある言葉を志向した結果、生活の中の言葉に戻ってくるというのは納得感が強い。ぼくはそういうバンドを好きになりがちな気がする。 それはともかく、ぼくにとってelephant youが気になるのは、生活の中にいないものが歌詞に存在しているからな気がする。「屋上の上に一頭の悲しい象がいる」というのは何らかの比喩なのかもしれないが、普通屋上の上に象がいることはない。けれど、主体はそれに語りかける。そして、象の動静とは関係なしに、主体は最後に再び自分の状況に帰ってくる。こういう「空想を経て現実を見つめる」という行為に物悲しさが宿るのが好きなのかもしれない。生活の塵埃のなかで童話が語られるとき、それは必ず悲しさを帯びるような気がする。サリンジャーの「笑い男」を思い出す。