魔法学校の劣等生
雑記
魔法の呪文
最近はみんながハリーポッターの話をしている。「プロテゴ」なんて原作ではほとんど役に立った覚えがない魔法もバンバンTLに流れてくるようになって、なんとなく悔しい気持ち。小学生の頃はハリーポッターの呪文を誰よりも覚えていることを密かに誇っていたので……(年齢がバレるな……)
ファンタジーブーム
同世代の間では、「当時はハリー・ポッター派だったか、ダレン・シャン派だったか」というのはコロコロ派・ボンボン派と同じかそれ以上に鉄板の話題だと思われる。けれど、他のファンタジーとなると一気に読んでいた人が減る印象。当時は面白い児童向けファンタジー小説がどんどん出ていた。アルテミス・ファウル、バーティミアス、エラゴン、タラ・ダンカン…… こういった小説のほとんどは完結前に追わなくなってしまったのだが、それにしても最近は児童向けファンタジーがあまり出ていないような気がする。単に知らないだけだろうか。最近の小学生はどんなものを読んでいるんだろう。『都会のトム&ソーヤ』とかまだ続いてたりする? → 全然続いてた。すげ~~!!!
よかったもの
村上春樹『カンガルー日和』
読み終わった。短編集というかほぼショートショート集。だいたい「400字詰めにして8枚から14枚」の作品とのことなので、長さはオタクがTwitterやpixivにポンポン上げるSSくらいだ。 「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」目当てで読んだけれど、それはあんまりピンと来なかった。よく考えたらぼくはセカイ系とか運命とかそういうのがあまり好きではなかった。もともと男が気色悪いジャンルなのに、村上春樹式のやれやれ自己憐憫が乗っかってしまうのでさらに気色悪い。 よかったのは「彼女の街と、彼女の緬羊」、「とんがり焼の盛衰」、「チーズ・ケーキのような形をしたぼくの貧乏」。「とんがり焼の盛衰」は、謎の銘菓「とんがり焼」を若者受けさせるコンペに参加することになってしまう主人公の話。クスっと笑える間抜けなファンタジーなのだけど、最後に突然すべてがメタファーだったことが了解されてぎょっとさせられる。「明確な主張や納得の行く結末はなさそうだけど、それが村上春樹のいいところやね~」と思いながら読んでいると急にこういうのを放り込まれるので油断ならない。
たかが菓子のことなのだけれど、鴉たちにとってはそれが全てなのだ。それがとんがり焼であるか非とんがり焼であるか、それだけが生存をかけた問題なのだ。 (中略) それから僕は一人で部屋を出て、エレベーターで下に降り、とんがり製菓の建物を出た。賞金の二百万円は惜しかったけれど、この先の長い人生をあんな鴉たちの相手をしながら生きていくなんてまっぴらだ。 僕は自分の食べたいものだけを作って、自分で食べる。鴉なんかお互いにつつきあって死んでしまえばいいんだ。
純文学の賞かなんかで何かあったんかなあ……