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小箱のくるり

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花初そたい
花初そたい

雑記

渋谷

会議が終わって即クアトロに向けて出発したが、着いたのは6時半。7時開演ならまあ真ん中くらいは取れるかなと思っていたが、甘かった…… 既にフロアは埋まり、空いているのは脇の高くなっているところと柱の後ろのみという状態。確かに、ソールド状態のクアトロに来るのは久々な気がする。

つくったもの

とくになし。

よかったもの

くるり × カネコアヤノ SHIBUYA CLUB QUATTRO 35TH ANNIV. “NEW VIEW”

少なく見積もってもZepp級の2バンドがクアトロで演るというとんでも企画。運良く抽選に通った。 先攻はカネコアヤノ。ベースが脱退してからはしばらく3人編成だという話だけ聞いていたが、今日はサポート?ベースが入って4人だった。 以前は各自が野放図とはいかないまでもある程度の伸縮を持って弾きまくる、開放的なグルーヴがあった気がするけれど、今回は内向きのひりついた緊張感を感じた。楽曲もそれぞれ再構築の途上という感じで、かっちりした構成の中に不意に開放的なサビやソロが交じる感じでアルバムとはぜんぜん違う。デイヴィッド・バーンなんかを思わせるところもある(似てるか……?)。以前はあれだけ浸っていたギターソロも今日は抑えめだった。 前のベースは結構縦横無尽に弾くタイプだったけれど、今回のベースは正確にリズムを取る仕事人タイプ。ドラムもあまりリズムを揺らさないので、メンバーチェンジが今のようなアレンジに結びついたであろうことは想像がつく気がする。バンドは生き物なんだなあ。 後攻はくるり。フェスのイメージが強かったのでどういうセトリで来るのか予想がつかなかったけど、一曲目はいきなり「ワールズエンド・スーパーノヴァ」……完全に小箱で演ることに自覚的だ!! 岸田繁氏はいい意味で力が抜けており、これからのし上がっていこうとするバンドを見ることが多いクアトロではかなり新鮮。MC中にブルースっぽいフレーズを弾いてそのままセッションしたり、観客にカープの応援歌を歌わせたり、思いっきり歌詞を間違えたり(これはいつも通りか)、緩い雰囲気も客席との距離が近い小箱にハマっていた。 驚いたのは、ライブの雰囲気もだが、曲の進め方も岸田氏がその場で合図を出している様子だったこと。そもそも岸田氏がリフを弾いて始まる曲が多いバンドだけど、「ギターソロもっとやって」とか「ドラム入って」みたいなのをその場で視線で指示している様子が見て取れた。特にラストは「虹」をやってそのまま各自に数小節ずつソロを取らせるジャズスタイルのセッションに入り、その場で各楽器にソロを振ったりしていた。くるりがどんどんメンバーが変わったりスタイルが変わったりするのって……岸田繁がマイルスだったからなんだ!!(気付き) ジャズセッションはもちろんのこと、四つ打ちっぽい曲でもサポートドラムの石若駿がハマっていたのも意外な喜び。「くるりに石若駿?」と思っていたけど、これだけフリーセッションが多いならそりゃ重宝するよなあ。 「ワールズエンド・スーパーノヴァ」「ブレーメン」「ロックンロール」が特によかった。新曲はどんどんジャンルを変えつつギターポップど真ん中みたいなサビに回帰する「世界はこのまま変わらない」が凄い。「California coconuts」とかも聴けてよかったけど、こういうのはやはり野外のほうが合うんだろうな。