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物語と服

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花初そたい
花初そたい

雑記

築地

初めて築地に行った。場外市場は元気に営業している、それどころか豊洲より全然観光客が多いらしい、ということは知っていたけど、実際行ってみると、凄まじい人出! どうも、海外の人が多い様子。それに合わせてか和牛鉄板焼の店とかもあったりしたし、海外の人だけが行列を作っている店があったりした。トリップアドバイザーとかに載ってるんだろうか? 築地といえば魚のイメージがあったけど、いろいろ食べ歩いた結果、田所商店のパスタと丸豊のおにぎりが一番美味しかった。どちらもこれだけのために築地に来てもいいというくらい美味しい。特におにぎりはすごい。海苔はふにゃふにゃで、ラップに包まれて無造作に置いてあり、具も特別高級なものがあるわけでもない(1個2~400円程度)のに、米の握り方も具の量も海苔の風味も絶妙で無性にうまい。本当にこれだけのために築地来てもいいな。

外人

先日名前を聞かれたとき、「日本の方ですよね?」と言われたので(珍しい名字なのでよく言われる)、「外人っぽいですかね?」と返してしまって自分でびっくりした。「外人」ってひどい言葉だなと常々思っておきながら、まだまだ咄嗟に出てきてしまう。

物語の上にある服

シャニソンの広告が流れてきた。見ると、同じデザインのメガネをどのアイドルにもつけられるとのことらしい。 それを見た瞬間、「それってえ! アイドルを自分の好みに引きつけることを促す行為であり、アイドルの記号的消費を加速させる仕様に他ならないですよねえ!! 僕はシャニマスの、データベースから抽出したような外見からデータベースに回収され得ない個人を立ち上がらせる姿勢、そしてその個人の文脈の上にのみ衣装が実装される姿勢をこそ好んでいたんだけどなあ!!!」と絶叫しながら己の眼鏡を高速で上げ下げしてしまったけれど、よく考えたら、大崎甜花さんはそういう思いもよらなかった消費をされることをも【I♡DOLL】で良しとしていた気がしてきた。 少なくとも、着て欲しい衣装を常に選び続ける、という姿勢は取れなさそう。ぼくはプロデューサーさんではないので……

物語の上にない服

私服は個人が選び取ったもので、そこに個人の選択による物語が生まれることは避けられないけれど、アイドル衣装は他人が決めるものなので、少なくともプライベートな個人の物語からは断絶されている。むしろ、衣装が物語を作るというケースの方が多いはずだ(シャニマスのユニット衣装や、シャニソンの衣装コミュのように)。記号的消費のように見える実装が気に入らないのなら、その選択によって立ち上がる物語を妄想するしかないのかもしれない。

つくったもの

味噌汁とスパニッシュオムレツ。前回味噌が切れた際、ぼくの希望で赤味噌を買ったのだけど、赤味噌と合う具がわからなくて難儀していた……のは今日までの話。別に何を入れてもおいしいということがわかった。

よかったもの

小川一水『老ヴォールの惑星』

最初の短編、「ギャルナフカの迷宮」だけ読んだ。 おもしれ~!! やっぱり小川一水先生はすげえぜ。引き込まれるプロットもさることながら、信じているんだな……人間を……という感動がある。人間を信じるSFが一番ええ。

『話がしたいな。』

cinema staff × シャニマスの合同誌。

  • おかゆ「バイタルサイン」 聴診器がCDに繋がる構図と色使いがカッコいい。聴診器の先がCDだとしたら、点滴の先は何なんだろうか?

  • ドンドン「熱源」 樋口さんのモノローグと表情で見せる構成が好き。映画を見ている人を正面から描いたカットってなぜかワクワクする。 「熱源」って映画館の曲だっけ? と思いながら元曲を聞き直してみたら、確かに映画が流れっぱなしになっていた。人によって歌詞から受ける印象が違うことがわかるのも合同のいいところだなあ。

  • うえこ「返して」 タイトルの入れ方がカッコいい。酷薄にも優しくも映る浅倉さんの表情と、デフォルメされた小糸ちゃんが転んで髪がちぎれるコマが好き。今気づいたけど、ここ「君は呼吸を整えて 長い髪を思い切り切ったら」にかかってるのか? まさかね。

  • 花初そたい「shiranai hito」 読み返してみると、だいぶ急ぎ足というか、プロットを並べているだけのように感じる。ちゃんと筋を立てて書こうとすると毎回こうなってしまう。 学生の話をやろうとすると絶対に森見登美彦の影響から逃れられないな。京都以外の学生生活をイメージできない。東京の学生って何してるんだ?

  • 遠野「海について(あるいは透明だった僕たち)」 対象であるアイドルから距離を取り(少なくとも歌われている瞬間においては主体との関わりが発生していないように読める)、その美しい瞬間を切り取るような、映画的な歌が多いように感じる。それがcinema staff特有のドラマ性、とりわけ1stの静かな情景と響き合っているようでカッコいい。イメソン×二次創作短歌って縛りが多すぎない? と思っていたけど、可能性を見せられた気がした。

  • 桃もみじ「望郷」 本人に直接伝えたけれど、手のモチーフが反復されて最後のドアノブへと繋がっていく構成が好き。冒頭の眠い目をこするにちかのコマで、手だけをコマから出すようにして印象づける手法は初めて見たけど、かなりカッコいい。元ネタがあるんだろうか。

もう寝ないといけないので本日はここまで。他の作品については後日追記します。