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普通に死ぬ

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花初そたい
花初そたい

雑記

未知の恐怖

登山のGoPro動画と滑落事故の解説動画を交互に見て、別に登るわけでもない山への恐れを醸成している。山、怖すぎる。人が食糧も暖もとれずに疲労と恐怖から来る幻覚を見ながらじわじわ死んでいくんですよ。でも、登山の成功動画を見ているとその恐ろしさが同時に成功体験にもつながっていることがわかる。断崖絶壁の岩場を歩くヘッドカメラ動画の緊張感と、登頂時の開放感はすさまじい。でも、落ちたら普通に死ぬんですよ…… 怖すぎて、登る予定もないのにヤマレコ(山の記録・地図アプリ)を入れた。とっさに登るときでもオンラインで登山届を出し、オフラインマップをDLできるように。

普通に死ぬ

引き続き井上尚弥の動画を見ているが、それを友達に話したら「ボクシングは始めないの?」と言われた。始めるわけがない。グローブをつけているとはいえ、というかつけているからこそ、下手したら普通に死ぬんですよ。 小学生のころがK-1全盛期で、好きな選手はピーター・アーツ。最近もたまにUFCや巌流島なんかの動画をチラチラ見ている。けど、自分でやるとなるとどうしてもリスクのデカさが頭から離れない。生活に支障があるレベルの後遺症を抱える選手もたくさんいるし、リング上で死ぬことだってある。リング上で死ぬって。ヤバいだろ。怪我をするかもしれないスポーツは数あれど、普通に死ぬかもしれないスポーツなんてやっちゃダメだって。 でも、やっちゃいけないだろという思いがあるからこそ惹きつけられるのかもしれない。ピーター・アーツのハイキックはふと意識が緩んだ瞬間、まさに「刈り取る」というような格好で意識の外から叩きつけられるような格好が多くて、その「これ死ぬだろ」感に痺れていたところもあった。一番好きなKOはジャン・クロード・リビエール 1のこれです。何回見ても新鮮に「死ぬだろ」と思ってしまう。

つくったもの

特になし。

よかったもの

森合正範『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』

読み始めた。もともとオモコロブロスで原宿さんが紹介していて気になっていた本なのだけど、いや、面白い!! 井上尚弥は平たく言うとボクシング界の大谷翔平みたいな不世出の怪物。ボクシングは一試合一試合が本当に重いスポーツなのだけど、中でも井上尚弥という怪物との試合はそれ自体が人生を変えてしまうような大きさを持っている。それはもちろん試合で感じた相手の力量もそうなのだけど、圧倒的なネームバリューを持つ相手との試合というのはそれだけで今までとは全く違う経験になる。負けたことで何かを得る者もいれば、負けたことで全てを失う者もおり、敗者の物語も人それぞれ…… 冒頭からすると「敗者の証言を通じて井上尚弥を語る」というコンセプトだったようなのだけど、むしろ敗者それぞれの物語に力が入っていてそれがかなり面白い。