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全員無視

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花初そたい
花初そたい

雑記

オタクに甘い

この水出し紅茶がうまい!という情報を見たので、ルピシアに茶葉を買いに行った。ルピシアに行くのは初めてで、なんとなくショッピングモールとかに入っている、くらいのイメージしかなかったのだけど、えげつない果物の香りがするフレーバーティーから◯◯茶園の旬のニルギリといったスペシャリティっぽいやつまで、幅広く置いてあった。 一番驚いたのは、店員さんがめちゃくちゃ喋ったこと。この茶葉が好きならこれもオススメ、という話だとか、これは水出しのほうがいい、という実体験に基づく情報まで、聞いてもいないことをどんどん話してくれる。個人的に、店員さんが自分の扱っている商品に対する愛情を隠さないと一気に好感を抱いてしまうので、気分良く買い物できた。オタクに甘い。

つくったもの

特になし。

よかったもの

竹久夢二展

見てきた。夢二といえば個性的な美人画のイメージで、展示もそればかりになるかと思っていたけど、場所が庭園美術館だったこともあり、後期印象派→アール・ヌーヴォー→アール・デコという西洋の潮流に沿った構築がされていて新鮮だった。庭園美術館の展示は絶対にアール・デコの話をして、「ところでウチの建築もアール・デコでぇ……」という話に持っていくので、その話術(?)も楽しみどころだと思う。

『十二人の怒れる男』

アマプラ無料配信が今日までだったので、滑り込みで観た。 おもしろ~い。舞台はほぼ狭い会議室だけで、登場人物もほぼ12人の陪審員のみ。場面転換もなく、派手なアクションもない。なのに、90分まったく飽きない。12人それぞれの個性が明らかになっていく面白さと、証拠がひとつひとつ揺らいでいく面白さ、有罪・無罪の投票結果がどんどん逆転していく面白さで、釘付けになってしまう。 どうしても最初は「理論的で良識的な一人と、その他」という構図で見てしまったけど、いざ始まってみると、無罪を主張した人も案外感情に訴えかけようとしている、というか納得と共感が紐づいているのが意外だった。「ナイフを探してくるくらいの努力をしたのだからこの人の側に立ちたい」とか、「本当だと思っていた証言のひとつが揺らいだから無罪に傾いた」とか……他の証人がいくら嘘をついていたところで、ひとつでも確実な証拠があったら有罪は揺るがないのでは? 目撃者の眼鏡は老眼鏡かもしれないし、動転していたならナイフで刺して指紋を拭いてから道路に出るまで1分くらいはかかるかもしれない。いくら推定無罪とはいえ、こんな可能性の話をするだけの反証を通していたら「確実な証拠」なんてほとんど存在しないんじゃないか。この映画のキモは多分推理の丁寧さではなく、無意識に抱いている思い込みや偏見を暴いていくところなのだけど。 個人的に好きなシーンはスラム街への偏見を並べ立てまくる人を一人ひとり無言で拒絶するシーン。長回しの画も美しいし、もはや誰も反論しないのも良い。このシーンみたいに、話にならない人の発言は誰も取り合わない、というのが理想なんですけどね。実際は、そうならないことが多いですよね……