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限界バトル

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花初そたい
花初そたい

雑記

人間の領分

オリンピックを毎晩チラチラ観ている。主に柔道が放送されているので柔道を観ているのだが、素人目には「えっ、そうなの?」と思うような判定がたびたびあり、なんとなく理不尽な気持ちになる。実際、Twitterでも審判に対する批判がわんさか出ているらしい。 こういうのを見るたびに「全部AIとビデオ判定でどうにかならんのか」と思ってしまうが、柔道の審判はかなりウェットなもので、組み合う際の姿勢や態度といった審判の感性に左右されるものが試合の緊張感を保ったり、危険な姿勢での受け身は選手と未来の選手を守るために強制的に一本と判断されたりするらしい。そういう「試合のゲーム性を高めるための裁量」みたいな部分は未だ人間に任せるしかないようだ。 でも、この説明で納得できるかというと全然そんなことないな。判定が全部機械的になったからといって試合がつまらなくなることってあるか? e-sportsの試合は全部機械的に判断されてるけど普通に面白いし。

チューンド

でもそういう機械化の行き着く先は徹底的な合理化で、結果至上主義に競技だけでなく社会が傾倒してしまう……というのも容易に想像がつく。漏れ自身はカリカリにチューンされたスポーツ専用機同士の対決みたいなのも観たいけど、教育と地続きのスポーツではそうはいかんよな。でもやっぱ、そのスポーツに人生かけてきた人がそういうウェットさに絡め取られてしまうのは理不尽な気がする。ボディビルのJBBFとIFBBみたいに、「クリーンな大会」と「薬物使用なんでもありの極限バトル」を2つ設けることってできないもんかな。

競技化

スケートボードもちょっと観た。なんだか得点を取りに行くよりも高度な技を狙いに行く姿勢を良しとする空気があるっぽく、それ自体は面白いなと思ったけれど、クリーンな特設会場で一人ずつ滑っている姿を観客が設えられた客席に座って観る、という絵面には違和感がある。それならもっと全員得点だけを取りにいくべきじゃないか? 誰にも真似できない技ならストリートで披露してスケートビデオとかにしたらいいんだし。競技化として半端じゃないか、という感想が拭えない。

つくったもの

きゅうりの漬物。キューちゃん的なやつ。単純なのだけど、うますぎて作るたびに新鮮に感動してしまう。

よかったもの

小松海佑 漫談『遺品』 小説や映画のようなカット割りですごい。「何の話してるんだ?」と思ったらだんだん全貌が見えてくる感じや、やっぱり全貌などというものはないような感じ。「人生の複雑さをそのままに漫談にしている」という感想を見かけたけれど、確かにそんな感じだ。ふと頭によぎったことを、そのまま前後の経緯ごと切り取って舞台で喋っているような。

うみべのストーブ 大白小蟹短編集 「海の底から」がめちゃくちゃいい。今欲しかった話すぎる。逆「創作文芸サークル『キャロット通信』の崩壊」。同じトーチなのに。