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ヤンキーの神

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花初そたい
花初そたい

雑記

人生を取り戻す

今日の金曜ロードショーはとなりのトトロだったらしい。トトロの母代わりの姉、天真爛漫な妹、入院中の母、という構図は昔の七草家と共通しているけれど、トトロはEDで母が帰ってくるところが描かれている。こうしてサツキは「一家の“母親役”から解放されて子どもらしさを取り戻」すらしい。 七草家の場合、はづきさんが「子どもらしさを取り戻」すことはなかったのだけど、それを痛ましいことだと言わせないような宣言が『明るい部屋』で既になされているのはすごいことだな。なんか、普通はそういう背景を明かすシナリオを出してからしばらく間をおいて「ああ、はづきさんは裏方続きの人生で不幸だったんだね」と思わせたところで、満を持して「そういうことがやりたいみたい」に繋がる気がする。たとえ読者が咀嚼する間が十分でなさそうだとしても、誤解をさせるような間を切り詰めてはづきさんの決意が描かれるのはかなり人道的だ。キャラクターのプライドに対する配慮がある(と漏れは受け取った)。その配慮がジエピに少しでも引き継がれていたら……と思わなくもない。

夏休み

来週の月曜・火曜は休みを取って北海道に行く。夏休み突入でぇ~す(←これ9年前らしい)(9年????)。 でも、旅行があるとなんとなく夏休みという気がしない。持て余すくらい長い休みがほしい。

つくったもの

マゴチのフォー。noteで見かけたのを参考に作ってみたが、マゴチの出汁がめちゃくちゃうまい。さすが高級魚。

よかったもの

チー付与 47話 この半グレ編の落とし所としても、「人生は続いてしまう」という話としてもかなり面白いのだけど、「神」のバランス感が特異なところが気になっている。これだけ強い強制力を持っているように(読者目線からも)見えるのに、実態も理由もわからないというマジックリアリズム的な状態になっている「神」はあまり見ない気がする。普通は、「読者からは偶然でもあり得ると思えるが、体験した本人は神の存在を信じずにはいられない」というくらいのバランスにならないか? 急にユダヤ的な神が人生を支配することへの戸惑いが残る。 これと忍極の聖華天編は好対照だなあ。あっちの神は苦難に満ちた人生の最後に楽園を魅せる完全にキリスト教的な神だった。でも、タケちゃんには人生の最後に救いをもたらす神はいないのだろう。

しかし、ともかく、神はニールを地獄へ落とした。 (テッド・チャン「地獄とは神の不在なり」)