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観たアニメ、焼いた菓子

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花初そたい
花初そたい

雑記

ジェノワーズ法

かぼすをもらったので、パウンドケーキを焼くことにした。まずはバターを押せば潰れるほど柔らかくする必要があるのだが、だるいのでとりあえず電子レンジに放り込んだ。すると、バターが完全に溶けてしまった。これは大変まずい。 なぜなら、パウンドケーキはバターをひたすら混ぜ、そこに入り込んだ気泡でふっくらと仕上げるものらしいから。バターが溶け切ってはクリーム状にはならないし、一度溶けたバターは二度と元通りにはならないらしい。仕方がないので代替案を探したところ、「ジェノワーズ法」というのが出てきた。なんでも、ジェノワーズというお菓子を作るときと同じく、卵をひたすら泡立てることでバターの代わりに気泡を作るらしい。これなら今からでもできる! そう思ったのが運の尽きだった。全卵を泡立てるというのは思ったより十倍大変で、普通はハンドミキサーを使うらしい。うちにはハンドミキサーはない。結局、腕をパンパンにしながら二十分くらい頑張って混ぜ、そこで妥協した。そのせいか、パウンドケーキは膨らみが悪かった(おいしいけど)。次回は横着せずにバターを室温に戻す。

一本

SSF個人誌用の短編を一本書いた。一日で7000字くらいなので……悪くないんじゃないかな~(田中摩美々)。 9月に4000字くらい書いたものの、読み直したら全然面白くなかったものを、イチから書き直した。そうしたら、とりあえず雰囲気は良くなった気がする。やっぱ悩んでる暇があったら全部書き直したほうが良いんだよな。いや、本来、それをするためには、締切に余裕を持たなければいけないはずなのですが……

つくったもの

パウンドケーキ、オムライス。オムライスが全然うまく巻けない……と思ったら、どうもフライパンがデカすぎて卵が薄くなってしまっているらしい。でも小さいフライパンないしな。しょうがないか。

よかったもの

前期見たアニメの感想。前期は特に観たいものが思いつかなかったので、昔のアニメをふたつ観た。 両方ネタバレあり。

スローループ

  • よかった。
  • 釣りを題材にしてはいるが、フライフィッシングがメインということで、観てもわからないんじゃないか……となんとなく敬遠していた。が、蓋を開けてみればフライに興味が持てる丁寧な解説あり、フライ以外の釣りありで、かなり勉強になった。
  • そして何より、釣り以外のキャラクター同士のコミュニケーションがかなりいい。
  • 主人公のひよりは、亡くした父親に習ったフライフィッシングを趣味にしている。そこに突然、小春という同い年の少女が押しかけてくる。小春は母の再婚相手の連れ子、つまり自分の姉になる相手だったのだ……というのが一話のあらすじ。
  • ひよりは父の思い出を引きずっているが、後に小春も事故で母と弟を亡くしていることがわかる。それぞれに家庭の悩みがあり、それぞれに家族と向き合ってきた歴史がある。他人から見ればどうでもいいようなことでも、本人にとっては大きな傷だったり、逆に他人から見ればトラウマものの出来事でも本人にとってはそうでもなかったりする。そのハッとするような襞の描き方が良い
  • 個人的に一番好きなのはひよりの祖父母の家に行った回。この頃にはもう随分打ち解け、一緒にいるのが当たり前、といった空気すら出ている。しかし、小春の意外な病弱さに触れ、視聴者はハッとすることになる。ひよりは小春の過去を全然知らないし、小春が病弱だったことで家族がどれだけ気を遣ってきたかも知らないのだ
  • 家族と言っても、半年も前には他人だったのだ、という事実を前に、ひよりはどうするか?「なんでも相談してね、今は家族なんだから」と、あくまで今は家族である、ということに意識を向けるのだった。この美しい終わり方!
  • それぞれに過去があり、その延長線上に今がある。だから過去に向き合うことは、今を捉え直すことでもある。そんな当たり前のことを、改めて気付かせてくれるアニメだった

BanG Dream! It's MyGO!!!!!

  • おもしれ~
  • 「なんか百合のオタクが興奮してたアニメ」「バンドリ」「なんで春日影やったの!と叫ぶ人がいる」ということだけ知っている状態で見始めたが、思ったよりだいぶヘビーだった。ずっとどこかで誰かがギスギスしている。
  • とりあえずバンドを組むところまでは早いのだが、そこからが一筋縄ではいかない。みんなそれぞれの思惑、というか私利私欲があってバンドに参加しており、次々にそれが喝破されたり、希望が打ち砕かれたりする。バンドを続けるモチベーションが無くなった結果、空中分解寸前まで行ってしまう
  • それをギリギリのところで繋ぎ止め、バンドを再構築するものは何か? なんと、それはボーカルの歌だった。ボーカル一人しかいなくなってしまったバンドは、それでもポエトリーリーディングで継続される。その熱意と、熱意そのもののような歌によって、去っていったはずのメンバーは一人、また一人と戻って来る。そして最後には、全員わけがわからないまま号泣して演奏する、このアニメのハイライトとなるシーンへとなだれ込む
  • 継続可能なバンドを作るためにはどうすればいいか、という同じ問いから出発したはずなのに、ガールズバンドクライと真逆のシーンに至ったのは面白い。ガールズバンドクライは「あくまで言葉によるコミュニケーションで解決しなければ持続可能なバンドはありえない」としてあの桃香と仁奈のシーンができたらしいが、MyGO!!!!!は言葉によるコミュニケーションが決裂した結果、音楽の言語化不可能な魅力によって全員が再び繋がる。それぞれのロジックと凄味がある
  • 継続可能、という言葉が指すところが異なっているのももちろん大きい。全員都内に太い実家があるMyGOには、バンドが崩壊したらバイトで食いつなぐか故郷に帰るしか道がない、というガールズバンドクライ的実存の問題はない。問題になるのは、あくまでメンバー間の不和でしかない。だから最後に、メンバーの足並みがどれだけ揃わなくても、音楽の魅力がそれを上回っている限り、解散することはない、というある種純粋すぎる地点に落ち着くわけだ。運命共同体としてのプロジェクトの強靭さは必要ない
  • 一方、Ave Musicaはそうではない。人生を賭けてメイクマネーしていかなければならないし、しかも祥子がその戦略の全てを担おうとしている。「貴女、ご自分のことばかりですのね」とそよを痛烈にやっつけた祥子は、今やご自分のことに他人の人生を巻き込み倒す覚悟を決めている。この差別化をすでに見せられているのだから、Ave Musicaのアニメも楽しみだ