コメティック
花初そたい
花初そたい
雑記
表面に留まる
溜まっていたシャニマスのイベコミュを一気読みした。オートで読むのが苦手なのでサクサク読み進めたが、そうすると細かい演出や発話のニュアンスを取りこぼしがちにはなるので、ずっと「表面に留まる強さ」という『小説のストラテジー』の文言が脳内に点滅していた。
つくったもの
焼きそばと味噌汁。豚こまで焼きそばを作っていると学生時代を思い出す。
よかったもの
バイ・スパイラル
- 越境だからこそ、それぞれのユニット内では見せない一面が際立つ嬉しいイベント。やっぱ越境ってありがたいな。
- 特に樹里さんと摩美々さんが更生した元ヤンみたいな立ち位置になっていたのがよかった。かつて人を遠ざけていた人としての経験がここに来て役立っているし、摩美々さんが食えない悪友ムーブをやったり、樹里さんがリーダーシップを発揮するのも越境ならではで新鮮。
- 「せめてこっちのドアは――いつでも開いてるってこと伝えたくて」名言だ。
- あとは甘奈さんが振り回されているのが良かった。甘奈さん、理屈よりも感情が先行する上に比較的切り替えが上手くない方なので芹沢あさひさんとの相性が最悪。
- 心配事に気を取られたのか、甜花さんが嬉々として語るゲームのあらすじを聞き流しているのもよかった。甜花さんも甘奈さんが語るファッションやコスメの話を聞き流してるんだろうな。相手の話を興味がないからといって遮らないのもコミュニケーションだ。
- 劇中劇というか劇中ゲームのあらすじがダサすぎる~。SHHisの劇のときも思ったけど、劇中にフィクションを出す場合、それを見たキャラクターが何を思うか・どう影響を受けるかに重心を置かないとどうあがいてもダサくなると思う。そうでないならせめて実在のフィクションを引用してくるべきじゃないか。凛世GRADはもちろん、【遠き明滅】とかもうまくいってたと思うんだけどな~。
- 光と闇、というワードチョイスがまずダサい。『絆光記』の時は思春期の語彙から脱皮できなかった中年を描いているんだな、キツいことするなあ、と思っていたのだけど、もしかしてシャニマスは真面目に「光と闇」で行こうとしてます? そもそも、そういうわかりやすい二項対立ではなく、世界はグラデーションでありスペクトルなのだという話をするのがシャニマスだと思っていたんだけど。
- コメティック準備号ということで「心を閉ざしているルカに対する事務所メンバーのスタンス」を描いておく回だと思うんだけど、「闇側」の描写はズレている気がする。Aちゃんがああなるなら、ルカも自分の意志でランタン祭りをキャンセルするべきだったのでは? 好感度調整を感じる。
no/ode
- 「自分がやりたいから」という動機にどこまでも真っ直ぐな郁田はるきさんのスタンスが眩しすぎる。そのうえで共感能力があるのがすごい。283プロでは主体性と共感能力を兼ね備えている人間は希少だ(というか、放クラに固まりすぎている)。本当にはるきさんがいてよかった。
- はるきさんと、同調する羽那さんに話を進めてもらう都合上、プロデューサーはずっと情けない。というか、別にはるきさん達がいなくても、ルカ関連のプロデューサーは常にひどい。コメティック結成についても、ルカに対して何のメリットも提示できていないのだからそりゃ反発されて当然だ。
- 鈴木羽那さんは、基本流されるままなのだけど不意に純粋な善性をドロップして場を沸かせる。こんな人をアイドル業界に引きずり込んじゃダメですよ。GRADの感想にも書いた気がするが、オツベルと象感がある。オツベルの象も白いしな。絶対純白領域だ。
コメティック感謝祭
- 郁田はるきさんがデザインに拘った結果デザインを捨てるの、アツい。データキャラがデータを捨てるやつみたいだ。そうか?
- また郁田はるきさんが回してる……という感じはある。そろそろルカさん主役の回をやらないと限界じゃないか。羽那さんは主体性がないので主役になり得ないし。
- はるきさんはちゃんと自分の幸せを勘定に入れられるので、SHHisみたいにブレーキがぶっ壊れることがなくて平和。やっぱりすごすぎる。
- 感謝祭の尺って短いな~。本当にアンティーカ感謝祭やストレイライト感謝祭みたいな中身が詰まったシナリオが実現できていたのか、信じられない気持ちになる。
THE(CoMETIK)EPISODE
- ようやくルカ主役回。
- SHHisが出てきた時点で「あっ……」と思ったが、完全に「まだ割り切れてない元カノが今の交際相手に染められている様子を目の当たりにしてしまう」というシチュエーションでウケてしまった。斑鳩ルカさん、ことごとくかわいそう。
- 美琴さんはWINGであんな対応しておいてどの面下げて、と思ってしまいそうになるが、美琴さんはステージのことしか考えていないので仕方ない。『これ描いて死ね』のへびちか先生といい、むしろこういう「ひとつの目的だけがあり、他人は全てそれを実現するための手段でしかない」というキャラクターはかなり好きだ。そうではなくなってきているのが美琴さんなのだけど。
- それでも「ステージへの姿勢に関してはルカを信頼している」という美琴さんの評価にすがってしまう我々の弱さよ。「なんだかんだルカのことを信じているんだ!」と思ってしまいそうになるが、美琴さんの他者評価に一喜一憂するほど辛いことはない。その道の行き着く先は斑鳩ルカですよ。
- 鈴木羽那さんの「また違った思い切りの良さ」にハッとさせられた。なるほど、変に思い切りがいいせいで「こいつ気合入ってるな」と思われてしまうのか…… 「スカウトを受けて上京してきたということはよっぽどアイドルに思い入れがあるんだな」→間違い。思い切りがいいだけ。「Pを夜中に呼びつけるということはよっぽど気安く思っているんだな」→間違い。思い切りがいいだけ。怖すぎる。
- no/odeでもそうだったが、開きかけたドアに真っ先に飛びつくのがプロデューサーなのはなぜなんだ。別にルカの部屋を訪ねるのははるきと羽那でもよかったじゃないですか。見苦しいですよ。
- 「コメティックとして過ごしてきた時間」がルカのドアを開きかけた格好だが、コメティックとして過ごしてきた時間はこれまでほぼ描かれていない(感謝祭くらい)ので、リアルタイムで読んでも「そう言われても……」感は強かったのでは。引き伸ばしに付き合わされた読者への言い訳としか思えない。
- ドアを閉じている相手に対してはこちらのドアを開けておくこと以外できない、という姿勢には共感できるし、傷を癒やすには時間をかける必要があるというのもわかる。でも、ジエピみたいなヒステリックな話をやっておいてこの曖昧な着地はどうなんだ。『冬が灯る先』に期待。