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自己満のお菓子

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花初そたい
花初そたい

雑記

料理の日

有給を取ったものの特にすることはない。ということで、今日は料理をすることにした。 冷蔵庫にきゅうりが余っていたのでキューちゃん的なものを仕込み、くたびれていた水菜を煮浸しに。そして無性に甘いものが食べたかったので、大豆を煮てあんこを作り、スコーンを焼いた。

腹割れのコツ

あんこもスコーンも二回目なので、ちょっと勝手がわかってきたというか、注意すべきポイントがいくつかわかるようになった。 中でも、スコーンは案外手を抜いてもいいということがわかったのは嬉しい。バターを粉に練り込む作業はフードプロセッサにかければ一瞬で済むし、寝かす必要もない。予熱温度も低いので、思い立ってから30分くらいで食べられる。材料もシンプルだし、今後は登板率が上がるかもしれない。

自己満

しかし、お菓子作りって自炊以上に趣味性が高いというか、必要性が薄い。料理と違ってその場で味が調節できないぶん「自分好みの味に仕上げる」ということが難しいし、材料費も昨今の高騰で高い。時間もかかるし、それを考慮すると買ってもほぼ変わらない気がする。買ったほうがおいしいし。 でもオーブンの中でスコーンが膨らんでいくのをオ~と思いながら見たり、部屋に甘い匂いが漂ってきたりするのは代えがたい体験でもある。それならせっかくなので、買うのと遜色ないお菓子を作ってみたいところではあるが……これ以上のグレードアップを求めるなら、むしろ技術よりも原材料が大事な気がする。そうなると、最悪買うより高くなる気もするんだよな。どこで撤退するか、微妙な見極めが要求されている。

つくったもの

上記の通り。

よかったもの

神保町で「今後は物理本は買ったぶんを読んでから次を買おう」と決意したので、そこで買ったぶんを(一冊以外)読んだ。 えらすぎる。これで大手を振って次が買える。まだ積読めちゃくちゃあるけど。

一穂ミチ・志村貴子『オンリー・トーク』

さすがに面白くないはずがないコンビ。題材はまさかの芸人BL。onBlueあるある:表紙がカッコいい。 敬愛と恋情が混じり合う、と帯にも書いてあるが、恋情よりむしろ敬愛部分の話がメチャ良い。芸人の憧れってヤクザの憧れにちょっと似ていて、板の上の姿だけでなく、生き様そのものに敬愛を抱くことが自然なんだろうと思わせられる。だから、それが恋愛感情に繋がるのも自然だし、「あんたにそんな面白くないことをしてほしくない」「ダサい姿を見せてほしくない」という思いが強くなるのも当然なんじゃなかろうか。何か間違ったことを言っていますか? 青嵐には悪いが、ホモソーシャル最高!一番好きなソーシャルです!という気持ちを思い出した。男の子は男の子と、女の子は女の子とつるんだらいいと思うの。この「マイノリティが入りづらい世界」という側面も描く漫画を読んで出てくる感想がそれか? 自分で自分が情けないよ漏れは。

トム・スタンデージ『ヴィクトリア朝時代のインターネット』

キャッチーなタイトルだが、内容は電信の発明と流行、衰退についてのノンフィクション。しかしその影響は今のインターネットと驚くほど似ている。そう、電信こそがヴィクトリア朝時代のインターネットだったのだ……という話。 おもしれー。特に中盤の海底ケーブル敷設までが面白い。偉大な発明の統合と普及が科学者ではなく、いくら否定されても夢を見続ける異常エネルギー人間(作中では「アマチュア科学紳士」と表現されている)によって成し遂げられていく様子は痛快ですらある。しかし、19世紀時点で大西洋を横断する海底ケーブルが敷かれていたのは知らなかった。人類、すごすぎる。アメリカ中に電信網が張り巡らされたというのも、言葉にすればシンプルだがすごい話だ。