想象力


雑記
ちょうどいい暑さ
昼から渋谷でジムシャニ・コヒレンのポップアップストアを見て、東京都現代美術館に行った。渋谷なんか行きたくなさすぎる……と思っていたが、日曜の渋谷にしては人が少なく、思ったより快適だった。暑いので人出が減っているのかもしれない。現代美術館も人が少なくて快適だった。 寒がりの漏れにとってはこれくらい(最高気温33℃)なら全然ちょうどいい暑さなので、街から人が消えてくれるのは大変ありがたい。せーのっ、夏、最高~! 夏休み突入でぇ~す! でもまだ六月なんだよな……
つくったもの
昼はイシガキダイのポワレ、夜はイサキのパスタとズッキーニのソテー。寝かせたイシガキダイ、うますぎる。ポワレって簡単で皮目の匂いも消えてうまいので最高の料理法かも。
よかったもの
岡﨑乾二郎 而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here
東京都現代美術館の企画展。明日で終わりらしい。あんまり知らない人だったので、ちょっと迷ったけど……行ってよかった~。 飴細工のようなマチエールが特徴的な抽象絵画もよかったけど、個人的に一番印象に残ったのは塑像系。ぼってりとした粘土そのままの形状に異様な存在感がある。単純なようで、どう作ったのか想像がつかない。捩じ切ったような形状からは力強い制作者の行為が想像され、それがそのまま作品のパワーにもなっているけれど、このバカでかい粘土を普通に捩じ切ったり、空中でひん曲げたまま固定できたりするものなんだろうか? しかも、脳卒中で満足に身体が動かなくなってからの作品だというし。 象の像は唯一といってもいい具象作品で、いきなり知っている象らしきものが出てきたので妙に面白かった。解説には以下のようにあった。
彫刻にとって人体という主題が重要なのは、姿態のわずかな変化からさえ、外から加えられた力、感覚情報などの刺激に、感情、精神が応答するさまざまな様態を読み取ることができるからだった。どんな身体の断片であれ、この物理的力、精神的力の交渉、葛藤が刻み込まれている。それを人は敏感に察知することができる。だが象はそもそもその全体がつかめない。大地が移動しているようなものである。五感(視覚はほとんど役にたたない)を駆使して観察すれば蛇のようでも巨大な蝶のようでもあり、林立する巨木のようでもあり、ときに滝のようですら、などと思う隙に龍がグワーンと襲ってくる。まさに象の姿に感知されるのは森羅万象。彫刻のモチーフとして突出している。
ずいぶん激賞だ。しかし、そう言われてみると、先に書いたような粘土に込められた力のダイナミズムを表現するのに象のようなバカでかくてよくわからん生物は最適なのかもしれないという気になってくる。実際、遠目に見るとどれも象なのだが、近くで見るとなんだかよくわからない、しかしパワフルな何かとしか見えない瞬間がある。それにしても、「TELEPHANT/抽象の現象」というタイトルは流石に面白くなってるとしか思えない。面白いけど。